国際郵便を日本から送る際の注意点と手順
日本から国際郵便を送るには、送り状(税関告知書)の正確な記入・禁制品の確認・適切なサービス選択の3点が最も重要だ。手順を間違えると通関で荷物が止まり、受取人に予期しない関税が発生する。japanesepost.netでは日本の郵便情報を幅広く扱っているが、この記事では国際郵便に特化し、サービスの種類・発送手順・税関告知書の書き方・禁制品・よくある失敗と注意点まで、海外の家族や友人に大切な荷物を確実に届けるための情報を完全に解説する。
日本から送れる国際郵便サービスの種類と比較
日本郵便の国際郵便は4つの送り方があり、速さ・料金・追跡・補償の4点で使い分ける。
| サービス名 | 配達日数目安 | 重量上限 | サイズ上限 | 追跡 | 補償 | 料金水準 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EMS(国際スピード郵便) | 2〜5日(主要都市) | 30kg | 3辺合計900mm以内 | ○ | ○ | 高め |
| 国際航空便(小型包装物) | 5〜8日 | 2kg | 縦横厚さの合計900mm以内 | 書留付きのみ | 書留付きのみ | 中程度 |
| 国際航空便(国際小包) | 5〜8日 | 30kg | 3辺合計900mm以内 | 書留付きのみ | 書留付きのみ | 中程度 |
| エコノミー航空便(SAL便) | 6〜13日 | 30kg | 3辺合計900mm以内 | 書留付きのみ | 書留付きのみ | 安め |
| 国際船便 | 1〜3カ月 | 30kg | 3辺合計900mm以内 | × | × | 最安 |
どのサービスを選ぶべきか
- 急ぎ・高価な品物・追跡が必要:EMS一択だ。万国郵便連合(UPU)加盟国間で優先取扱されるため、DHL・FedExなどの民間国際宅配便と比べても料金が手頃で郵便局・コンビニから発送できる
- 急がないが確実に届けたい:書留付き航空便。EMSとどちらがいいか迷ったら、追跡と最大65SDRの損害賠償が付く書留付き航空便を選ぶと安くなる
- 安く送りたい・重くてかさばる荷物:SAL便または国際船便。SAL便は対象国が限られる点を事前確認する
EMS・航空便・DHLの料金比較(500g以内)
| 送り先 | EMS | 航空便(小型包装物) | DHL(目安) |
|---|---|---|---|
| 韓国・中国・台湾・香港 | 1,600円〜 | 650円〜 | 2,500円〜 |
| 東南アジア(タイ・ベトナム等) | 1,600円〜 | 720円〜 | 3,000円〜 |
| アメリカ・カナダ | 2,200円〜 | 980円〜 | 4,000円〜 |
| ヨーロッパ(英・独・仏等) | 2,200円〜 | 1,040円〜 | 4,000円〜 |
| オーストラリア | 2,200円〜 | 980円〜 | 3,500円〜 |
EMSはDHLの半額以下になるケースが多く、個人が国際発送する手段として最もコスパが高い。正確な料金はpost.japanpost.jpの「国際郵便料金計算」ツールで確認できる。
日本から国際郵便を送る手順(7ステップ)
窓口に持ち込む前の準備が発送全体の8割を占める。手順を順番に踏むことが通関トラブルを防ぐ最短の方法だ。
- ステップ1:送り先の国の禁制品を確認する
post.japanpost.jpの「国・地域一覧」から送り先の国を選び、輸入禁制品を事前確認する。同じ品物でも国によって送れる・送れないが変わるため毎回必ず確認する - ステップ2:受取人に事前連絡する
受取人に「いつ・何を・どのサービスで送るか」を事前に伝えておく。国によっては税関から直接受取人に通知が届き、受取人が手続きをしないと荷物が返送される場合がある - ステップ3:荷物を梱包する
緩衝材(プチプチ・エアクッション)で品物をしっかり保護する。液体は漏れ防止の密閉容器に入れポリ袋で二重包装する。サービスごとのサイズ上限を超えないよう梱包後に3辺合計を計測する - ステップ4:重さとサイズを計測する
梱包後の重さ(グラム)と3辺合計(ミリメートル)を計測する。郵便局の窓口でも無料で計測できる - ステップ5:料金を確認してサービスを決める
post.japanpost.jpの料金計算ツールでサービス・送り先・重さを入力して正確な料金を事前確認する - ステップ6:税関告知書・送り状を準備する
CN22またはCN23を正確に記入する(記入方法は次のセクションで詳しく解説する)。「国際郵便マイページ(ems.japanpost.jp)」でオンライン作成するとA4印刷して持参するだけで窓口の手書き作業が不要になる - ステップ7:郵便局の窓口に持参する
国際郵便はすべてのサービスで郵便局の窓口からのみ発送できる。ポスト投函は不可だ。発送後に受け取る控えの追跡番号を保管し、post.japanpost.jpの「追跡・調査」から追跡できる
税関告知書(CN22・CN23)の書き方
税関告知書の書き方を正確に理解することが、国際郵便で最も重要な注意点だ。財務省関税局の管轄のもとで審査が行われるため、記入ミス・過小申告は荷物の没収や返送の原因になる。
CN22とCN23の使い分け
| 書類名 | 使う条件 | 対応サービス |
|---|---|---|
| CN22(簡易税関申告書) | 申告価格が300SDR(約5万円)以下の小型包装物 | 小型包装物・グリーティングカード |
| CN23(税関告知書) | 申告価格が300SDRを超える場合・すべての国際小包 | EMS・国際小包・高価な品物 |
記入必須の6項目
- 内容品の名称(英語で具体的に):「Books(本)」「Clothes(衣類)」「Cosmetics(化粧品)」のように英語で具体的に書く。「Gift」「Goods」「Miscellaneous」などの曖昧な記載は通関で引っかかる原因になる
- 数量:品物の個数を正確に記入する
- 重さ(グラム):梱包後の総重量を記入する
- 申告価格(日本円またはUSD):品物の実際の市場価値を正直に記入する。「贈り物だから価値は0円」という記入は過小申告として税関に指摘される可能性がある
- 種別チェックボックス:「贈り物(Gift)」「商業サンプル(Commercial Sample)」「商品(Merchandise)」「書類(Documents)」「その他(Other)」から正確に選ぶ
- 差出人・受取人の情報:氏名・住所・電話番号を英語またはローマ字で正確に記入する
「書類」と「物品」の違いと関税免除の条件
「書類(Documents)」として申告できるのは、商業的価値を持たない文書のみだ。手紙・契約書のコピー・パスポートのコピーなど個人的な通信文書は書類として扱われ、多くの国で関税が免除される。一方、本・カタログ・雑誌・同人誌は書類ではなく物品として申告する必要がある。書類と物品を誤って申告すると税関で没収される場合があるため注意が必要だ。
英語での宛名の書き方
国際郵便の宛名は英語またはローマ字で記入する。日本語だけでは送り先の国で読めず、配達不能になる。
- 住所の書き順(英語では逆順):部屋番号→建物名→番地→通り→市区町村→都道府県・州→郵便番号→国名の順に書く(日本語の逆順)
- 国名は最終行に大文字で:「JAPAN」「UNITED STATES」「FRANCE」のように送り先の国名を最終行に英語大文字で記入する
- 受取人の電話番号を記入する:不在時・通関手続き時に現地郵便局が連絡するために使う。記入がないと保管期限切れで返送されるリスクが上がる
- 差出人の住所も英語で記入する:届かなかった場合の返送先になるため、必ず裏面に英語表記で記入する
国際郵便の禁制品と送れないものの確認方法
禁制品は「日本の航空輸送規制」と「送り先の国の輸入規制」の2層構造になっている。どちらかに違反した場合は差し押さえ・廃棄・返送の対象になる。
すべての国への共通禁制品
- 爆発物・火薬・花火類:航空輸送は完全禁止
- 可燃性ガス・スプレー缶:ライター用ガス・整髪スプレー・殺虫スプレー
- 引火性液体:アルコール度数70%超の酒類・ガソリン・有機溶剤
- 毒劇物・農薬:殺虫剤・除草剤・工業用薬品
- 麻薬・違法薬物:すべての国で厳禁
- わいせつ物・偽造品:著作権侵害品も含まれる
航空便(EMS・航空便・SAL便)で送れないもの
| 品目 | 制限内容 | 船便での対応 |
|---|---|---|
| リチウムイオン電池(単体・バラ) | IATA規制により航空輸送完全禁止 | 船便のみ可 |
| 磁性体・強力磁石 | 航空機の計器への影響で制限あり | 船便のみ可 |
| 電子タバコ・加熱式タバコ | 多くの国で輸入禁止または制限 | 送り先の国の規制を確認する |
| 食品・農産物 | 国によって検疫・輸入禁止の場合あり | 検疫証明が必要な国もある |
| 医薬品・サプリメント | 国ごとに輸入数量・種類の制限あり | 処方箋コピーが必要な場合もある |
液体制限と梱包ルール
液体・粉末・ジェル類は航空便で送る際、漏れ防止の密閉容器に入れポリ袋で二重包装することが必要だ。アルコール度数70%を超えるものは引火性液体として送れない。化粧品・シャンプー・調味料などは送れる場合が多いが、送り先の国の輸入規制を事前に確認することが大切だ。
国際郵便でよくある失敗と注意点
実際に国際郵便を送った人が繰り返しているミスは7つに集約できる。これらを事前に知っておくだけで、関税トラブル・荷物の差し押さえ・不安な待ち時間を大幅に減らせる。
| よくある失敗 | 原因 | 防ぐ方法 |
|---|---|---|
| 通関で荷物が止まる | 内容品の曖昧な記載・過小申告 | 税関告知書に英語で具体的な品名と正確な申告価格を書く |
| 受取人が予期せず関税を請求される | 申告価格が現地の免税範囲を超えていた | 事前に受取人に申告価格と関税の可能性を伝えておく |
| 荷物が返送されてくる | 受取人の住所ミス・電話番号未記入 | 英語で正確に宛名を書き受取人の電話番号を記入する |
| 禁制品で差し押さえ | 送り先の国の禁制品を確認していなかった | 毎回post.japanpost.jpで送り先の国の禁制品を確認する |
| 荷物が届かず追跡もできない | 書留なし・追跡なしのサービスを使った | 高価な荷物は必ずEMSまたは書留付き航空便で送る |
| リチウム電池で引受拒否 | バラのリチウム電池を航空便に入れた | 単体のリチウム電池は船便のみ対応(IATA規制) |
| 配達日数が大幅に遅れた | 通関混雑・現地の休日・天候を考慮していなかった | 配達日数は目安として余裕を持って発送する |
国際郵便が届かない場合の対処法
EMSまたは書留付きの国際郵便が届かない場合は、発送日から6カ月以内に調査依頼と損害賠償申請ができる。
- 1. 追跡状況を確認する:post.japanpost.jpの「追跡・調査」で最終記録を確認する。「通関中」で止まっている場合は受取人が税関へ連絡する必要がある場合が多い
- 2. 受取人に確認してもらう:受取人の国の税関サイトで荷物の保留状況を確認してもらう。関税の未払い・書類不備・禁制品疑いで保留になっているケースが多い
- 3. 郵便局に調査依頼をする:最寄りの郵便局または電話(0120-23-2860)で「国際郵便物調査請求書」を提出する。発送時の控え(追跡番号が記載された書類)が必要だ
- 4. 損害賠償を申請する:EMS・書留付き郵便物が紛失・破損した場合は、調査完了後に損害賠償請求ができる。申請期限は発送日から6カ月以内だ
書留なし・追跡なしのサービスが届かない場合は、調査と損害賠償の対象外になる。高価な品物は必ずEMSまたは書留付きサービスで送ることが、紛失リスクに対する唯一の備えだ。日本郵便のサービス全体については日本郵便で使える主なサービスと使い分け方も参考にしてほしい。
よくある質問(FAQ)
すべての国際郵便は郵便局の窓口からのみ発送できる。ポスト投函・コンビニ投函は不可だ。国際郵便マイページ(ems.japanpost.jp)でラベルを事前作成して持参すると窓口での時間を短縮できる。
内容品の名称(英語で具体的に)・数量・重さ・申告価格・種別(贈り物か商品かなど)を正確に記入する。「Gift」「Goods」など曖昧な品名は通関で止まる原因になる。申告価格は実際の価値を正直に書く。
機器に内蔵されたリチウム電池は航空便で送れるが、単体(バラ)のリチウム電池はIATA規制により航空輸送が禁止されている。予備バッテリーなど単体のリチウム電池を送る場合は国際船便のみ対応している。
EMSまたは書留付きなら発送から6カ月以内に郵便局へ調査依頼と損害賠償申請ができる。まず追跡で最終記録を確認し、受取人の国の税関サイトで保留になっていないかを確認することが先決だ。
商業的価値のない手紙・契約書コピー等の文書は「書類(Documents)」として多くの国で関税が免除される。本・カタログ・同人誌は書類ではなく物品として申告が必要だ。誤申告は税関での没収リスクになる。